くらしの法手帖

独立生活法律情報誌
2026 / 創刊号

手帖 03 / 相続

相続の初期整理:人・財産・書類を分ける

相続開始後に混ざりやすい関係者、財産、遺言、期限付き通知を別々に記録する方法。
このページの範囲一般情報日本国内個別判断なし

相続の初期には、「誰が関係するか」「何があるか」「どの書類があるか」を一度に決めようとせず、別の一覧にします。預金の入出金や遺言の扱いは、事情によって判断が変わります。このページだけで権利や相続分を決めないでください。

人の一覧

亡くなった方との関係、氏名、連絡先、把握している戸籍の範囲を書きます。「相続人だと思う人」と「戸籍で確認した人」を区別します。家族関係の推測を事実として書かないことが大切です。

財産と負債の一覧

預貯金、不動産、有価証券、保険、車、事業資産、借入れ、未払金などを分けます。金額は確認日と資料名を付けます。亡くなった後の入出金は、日付、金額、理由、操作した人、保管資料を記録します。評価や返還の要否は、この記録を持って専門家へ確認します。

遺言の有無を確認する

自宅などで見つかった遺言書と、法務局に保管された自筆証書遺言では、確認方法が異なります。法務省の自筆証書遺言書保管制度 は、相続開始後に相続人等が保管事実証明書、遺言書情報証明書、閲覧を請求できる手続を案内しています。

遺言書らしい書面を見つけたときは、開封や書き込みの前に、必要な手続を裁判所または専門家へ確認してください。

戸籍の束を使う手続

法定相続情報証明制度 では、必要書類の収集、一覧図の作成、登記所への申出という流れが案内されています。交付される一覧図の写しは、相続手続や年金等手続で利用できます。ただし、一覧図は遺産分割の結果や相続放棄後の最終的な権利関係を示すものではありません。

相談時に確認すること

  • 直近で守るべき期限があるか
  • 保存または取得すべき資料は何か
  • 財産の利用や処分をする前に確認すべきことは何か
  • 税、登記、裁判所手続について別の専門家が必要か

相続では複数の制度が関係します。一人の説明だけで全分野が終わるとは限りません。